先日キャセイパシフィック航空を利用して、友人とタイに旅行してきました。
往復ともに香港経由です。
しかし折しもその日、香港でのデモ騒動の影響を受け、香港空港を発着する200便以上が欠航することに。
そして私が利用するはずだった香港発バンコク行の便も欠航してしまいました!
欠航した結果どうなったのか、まず結論だけ簡潔にお答えしましょう。
まず搭乗予定だったキャセイパシフィック航空香港→バンコク便の代わりに、ほぼ同時刻のエチオピア航空に振り替えとなりました。
しかしある事情により香港での乗り継ぎに失敗!
その結果デモ真っ最中の香港で急遽一泊することになり、翌日朝のキャセイ便でバンコクへと向かうことになりました。
本記事では本トラブルや香港空港での様子、そしてキャセイパシフィック航空の対応をご紹介します。
目次 1. 成田→香港→バンコク当初のフライトスケジュール 2. 香港デモに伴い搭乗便が欠航!代替便はエチオピア航空 3. 香港での乗り継ぎ失敗!香港で夜を越すことに… 4. 再代替便で目的地バンコクへ 5. 一連のトラブルでのキャセイからの補償は? 6. 代替便でマイル積算、JGC会員サービスは受けられるのか? 7. まとめ ~もしLCCだったらと思うとぞっとする~
1. 成田→香港→バンコク当初のフライトスケジュール
キャセイパシフィック航空は香港を拠点としたワンワールドアライアンスメンバーの航空会社です。
なぜわざわざ香港経由でバンコクへ向かうかというと、JGC修行の結果ワンワールドのサファイアステータスを獲得しており、空港ラウンジなどのサービスを受けることができるからです。
そしてあの名高い香港のキャセイラウンジを利用してみたいから!!
というわけで、バンコクまでは次の行程で向かう予定でした。
第1便 成田17:15→香港21:20
第2便 香港22:25→バンコク(スワンナブーム)翌00:20
2. 香港デモに伴い搭乗便が欠航!代替便はエチオピア航空
さて搭乗前日の夜、キャセイからこんなメールが届きました。
なんと、乗り継ぎ先香港からバンコクまでのCX 709便がキャンセルになったとのこと!!
そして代わりの便をキャセイで手配中だとのことです。
急な機材繰りの変更でも生じたのでしょうか?
翌朝のニュースで、なぜ欠航になったのかが明らかになりました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48203270V00C19A8EAF000/
フライト当日、香港では「逃亡犯条例」改正案をめぐりゼネストが呼びかけられていました。
そのためキャセイパシフィック航空などの航空会社はストに備え、香港空港を発着する200便以上の欠航を決定したようです。
その中の1つに運悪く香港→バンコク便が該当してしまったようです。
さて困りましたが、代替便を手配しているようなのでひとまず待つことに。
すると翌日、代替便が手配できたとのメールが届きました。
変更前:キャセイパシフィック航空709便
香港22:20→バンコク(スワンナブーム)翌00:20
変更後:エチオピア航空609便
香港22:40→バンコク(スワンナブーム)翌00:20
なんと、アフリカの航空会社、エチオピア航空に振り替えとなりました!!
エチオピア航空はANAと同じ、スターアライアンスの加盟航空会社です。
アライアンスの壁を越えて手配していただけたことになります。
Wikipediaより
しかしなぜエチオピア航空が香港→バンコク便を運航しているのでしょうか?
調べてみたところ、この便は香港→バンコクと飛んだあと、エチオピアの首都アディスアベバに向かうようです。
つまり香港-バンコク間はバンコクからの以遠権フライトだというわけです。
さてとりあえず代替便が無事確保され成田空港へ向かったわけですが、チェックインカウンターで説明を受けたところ、香港で乗り継ぎ手続きが必要とのこと。
元々のキャセイ同士の乗り継ぎでは香港での手続きはなく直接搭乗口へ向かえば良かったのですが、このことが更に予期しない事態を招くことになったのです。
3. 香港での乗り継ぎ失敗!香港で夜を越すことに…
成田から香港までのキャセイパシフィック521便は、定刻より20分遅い17:35に成田空港を出発しました。
搭乗時にご自由にお取りください状態で置かれていた日経新聞に気になる記事があったので手に取りました。
”香港、止まらぬ過激デモ”
まさにこれですよ!
これのおかげで欠航、エチオピア航空への振り替えという影響を被っている当事者なわけです。
しかしこのときはまだ、代わりにエチオピア航空に搭乗できるという変わった体験ができるとワクワクしていたのでした。
順調に香港へ航行したCX0521便
香港デモで通常より少ない客室乗務員での運航だったようですが、大した問題もなく香港に到着。
強いて言うなら10分程遅れた21:30頃の到着だったかな?
ここからエチオピア航空に乗換えです。
22:40 ET 609 Bangkokという文字列を探し、68番ゲートからの搭乗であることを確認。
しかし搭乗ゲートに向かう前に、乗り継ぎカウンターへ向かわなければなりません。
標識に従いTransfer Deskに向かうわけですが、どうやらE1, E2, W1と分かれているよう。
エチオピア航空のカウンターで行けば良いのですが、どこにあるのかさっぱりです。
そこでE2にでかでかと構えていたキャセイのカウンターに行き、
「キャセイでバンコクに行く予定だったんだけど欠航になって、エチオピア航空に変更されたんだけどどこ行けばいいの??」
みたいな英語で尋ねたところ、E1に行けとのこと。
そこでE1に向かったわけですが、ここから大変なことになります。
なんと、エチオピア航空のカウンターが見当たらない!!
カタール航空やら大韓航空やらいろんな航空会社のカウンターがあったのですが、どんなに探してもエチオピア航空がないんです。
しかしただ一つ、モニターが真っ暗なカウンターがあり、そこにいかにもアフリカ系のグループがスタッフさんと話していました。
何らかを議論していて解決したのか、一斉に搭乗口の方へと向かっていきます。
私は思いました。もしやここがエチオピア航空のカウンターなのではないかと。
そして勇気を出して話しかけました。
「ここはエチオピア航空のカウンターですか?」
反応は、「お前何言ってんの?」という呆れた表情。
色々言われた気がしますが、とにかくエチオピア航空ではないことだけはわかりました。
じゃあどうすればいいのかと。
この先全てを書くと長くなるので端折りますが、空港内をさまよい続け…
香港国際空港の制限エリア内には簡単な地下鉄がある。とにかく広い。これに乗るぐらいにはさまよい続けた。
結局見つからず、最初に訪れたキャセイのカウンターに舞い戻りました。
このとき時刻は22:10、30分程迷い続け出発まで残り30分となっていたのでした。
「30分前ここでE2に行けと言われたけどエチオピア航空カウンターがないんですが…。」
キャセイのスタッフさんはしばらくPCをカタカタしたのち、両手を上に向けて首をかしげました。
いかにも映画のワンシーンのような感じでです。
もう察しましたよね。
乗り遅れたなこれ(笑)
友人と顔を見合わせ、ただただ苦笑するしかありませんでした。
キャセイの人はしばらく電話したりPCカタカタした後、次のように我々に告知したのでした。
「あなたたちが乗っていた便が遅れて、到着した時にはエチオピア航空のカウンターが閉まっていた。だからこの便には乗れない。」
「今日バンコクに行く飛行機はないから、明日の当社のバンコク行に乗ってくれ」
「空港のホテルを手配したからそこに泊まってくれ」
はい、予期せぬ香港滞在が発生しました!!!
というわけで一旦香港に入国することになったわけです。
デモが激化しているとはいえ空港は大丈夫だろと高を括っていましたが…
到着ロビーで盛大にデモが行われていました(;・∀・)
黄色い看板を持った人たちが到着ロビーに座り込み、ターミナルビルに響き渡る音量で抗議していたのです。
デモ活動を少しだけ見届け、空港ターミナルビルに併設された「Regal Airport Hotel Hong Kong 」に向かいました。
流石香港拠点のフルキャリア航空会社キャセイパシフィック。
無料で手配してくれたホテルはそれはそれは立派なものでした。
かなり広めのビジネスホテル、とでも表現すれば良いでしょうか。
4. 再代替便で目的地バンコクへ
ホテルで仮眠をとり、翌朝6:30に香港出国ゲートを通過。
空港内で食事をとり、当初の予定より10時間遅れてバンコクへと出発です。
搭乗便は、CX705便 香港8:00発、バンコク(スワンナブーム)10:00着。
香港とバンコクの間には1時間時差があるので、約3時間のフライトです。
入国はしたものの訪れてはいない香港の街を眺めながら、機体はバンコクへと向かいました。
フライトは問題なく、目的地バンコクへとたどり着いたのでした。
5. 一連のトラブルでのキャセイからの補償は?
今回のトラブルは2段階に分けられます。
まずは香港デモにより生じたCX709 香港→バンコク便の欠航。
こちらはキャセイ側が、代替として同時刻帯のエチオピア航空便を手配してくれました。
2つ目は、エチオピア航空への乗り継ぎ失敗に対する措置。
こちらはどちらに非があるとも言い難いと思いますが、翌日のキャセイ便に振り替えとなり、空港併設のホテルも手配してくれました。
さらに翌朝の朝食用に、空港内で利用できる75香港ドル(日本円で約1,000円)のクーポン券までいただけました。
このおかげで香港グルメも堪能できることになったのでした。
農家芥菜粥 (Chinese Mustard Porridge)
6. 代替便でマイル積算、JGC会員サービスは受けられるのか?
さて当初搭乗する予定だった成田→香港→バンコクの計2便は、JALマイル積算対象運賃でした。
また私はJGC資格を有しているため、ビジネスカウンターやラウンジの利用、優先搭乗が利用できます。
しかし代替便利用時にはどうなるのでしょうか?
成田空港のキャセイカウンターで尋ねたところ、エチオピア航空では優先搭乗はできなく、かつ香港でのラウンジ利用もできないとのこと。
さらには本来積算されるはずだった香港→バンコクのJALマイルについても、エチオピア航空だから積算されないとのこと。
つまり本来キャセイ便では受けられたはずのサービスが受けられなくなってしまったのです。
もっともキャセイ側としてもデモという不可抗力による欠航でキャセイに非はないから、代替便確保以上の補償はできません、というようなことを説明されました。
一方で代替便の代替となったキャセイの香港→バンコク便ではどうだったかというと…
優先搭乗はJALサファイアカードの提示で利用できました!
ラウンジに関しても時間がなかったため利用していませんが、カード提示で利用できたのではないかと思います。
JALマイルに関しては、まだわかりません。
代替便航空券にはJALマイレージバンク会員番号が反映されていなかったので、事後登録という形で申請することになります。
申請は搭乗14日以後から可能となっているので、それまで果たして積算対象かどうかは未知数です。
7. まとめ ~もしLCCだったらと思うとぞっとする~
とんでもないトラブルに見舞われたフライトでしたが、無事目的地バンコクまでたどり着くことができました。
これもキャセイパシフィック航空が代替便やホテルの手配等を行ってくれたからであり、流石ワンワールドのフルキャリア航空会社だと感じました。
もしもこれがキャセイのようなフルキャリア航空会社ではなくLCCを利用していたと考えるとぞっとします。
香港からバンコクまでの代替便も自力で確保しなければならなかったかもしれません。
さらに香港での乗り継ぎ失敗の補償はなかったかもしれませんし、ホテルにも泊まれずデモ真っ最中の香港の街中に放り出されていたかもしれません。
今回のようなトラブル発生で、フルキャリア航空会社を利用していて良かったと思い知らされることとなりました。