JAL早期割引運賃廃止は”改悪”ではなく”改善”ではないか? 運賃改正のメリットとJGC修行への影響を考えます!

2021年10月26日、航空業界、旅行業界に大きな衝撃が走りました。
2023年からJALの早期割引運賃が廃止され、予約変更の可否や払戻手数料の有無を基にした、3種類ほどの運賃に再編されるという報道がなされたためです。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC271SY0X20C21A9000000/

JALやANAなど日本国内の航空会社の大半は、早めに予約することで普通運賃よりも大幅に安く利用できる早期割引が設定されており、お盆休みや年末年始の帰省、そして週末の旅行等に重宝してきた方も多いことでしょう。
そんなお得な割引運賃が廃止されてしまいます!

“新型コロナウイルス感染拡大で落ち込んだ業績をカバーするための実質値上げだ!”

“もう飛行機で旅行できる時代は終わった!”

SNSの投稿や、私の旅行仲間の間でも、この衝撃的な”改悪”を嘆く声が多々ありました。

しかし、本当にこれは”改悪”なのでしょうか?

私はそうは思いません。より”リーズナブルな旅行”を可能にする、”改善”である可能性を孕んでいるのではないでしょうか。

本記事では、JALの現行の早期割引運賃と予想される新運賃体系を比較し、敢えて新運賃体系のメリットついて述べていきます。
また運賃改正がJGC修行に与え得る可能性についても考察します。

ただし、ここから先はあくまで私の自論。新運賃体系も予想でしかありませんし、実際には大外れの可能性もあります。
あくまで一つの見方として、楽しんでお読みいただければ幸いです。

目次
1.現在のJAL国内線早期割引運賃
2.2023年以降の料金体制はどうなるか?
3.JGC修行への影響は?
4. おわりに

1. 現在のJAL国内線早期割引運賃

2021年時点では、JAL国内線には先得割引、特便割引の大きく2つがあり、さらに細分化され、8種類もの設定があります。株主優待など特殊な運賃を除けば、割引のない普通運賃と合わせて9種類の運賃体制となっているのです。

先得割引

先得割引は、JAL国内線航空券の中でも特に割引率の高い運賃です。その代わり予約期限が早く、キャンセル料の制約も多いことが特徴です。

先得運賃は4種類に細分化され、それぞれの予約期限は次の通り。

・ウルトラ先得(75日前までの予約)
・スーパー先得(55日前までの予約)
・先得タイプB(45日前までの予約)
・先得タイプA(28日前までの予約)

先得運賃の一例は次の通り。先得運賃であれば長距離路線でも10,000以下ととてもお手頃な価格となっています。

一方で先得運賃は購入後の変更はできません。
出発55日前までは一律440円の取消/払戻手数料がかかります。まあこれは許容範囲でしょう。
しかし、出発54日前~当日出発前は、運賃額のなんと50%の取消/払戻手数料がかかります。仮に10,000円の先得航空券を払戻となった場合、5,000円も取られてしまうのです。

つまり、先得運賃は1,2カ月ないしそれ以上前から確実に登場すると決まっている場合はとても安く有用な割引運賃ですが、少々利用しづらい航空券であることも確かです。

いざ旅行しようとせっかく先得運賃で安く購入しても、どうしても急な予定が入ってしまって払戻しせざるを得ないことがあります。
またせっかく旅行するなら天気の良い時がいいですよね。1,2カ月も前から当日の天気を予測することは不可能です。

なんとなく、先得運賃のメリット・デメリットがおわかりいただけたでしょうか。

特便割引

特便割引は、先得運賃と普通運賃の中間の位置づけです。こちらも4種類のラインアップがあります。

・特便割引21(21日前までの予約)
・特便割引7(7日前までの予約)
・特便割引3(3日前までの予約)
・特便割引1(1日前までの予約)

予約変更不可という制約は先得運賃と同様ですが、搭乗前日でも購入できる特便割引1も設定されており、比較的直前での予約・購入が可能です。

しかし見方を変えれば、株主優待等特殊な運賃を除き、残すは普通運賃のみ。普通運賃は利用・変更にほとんど制約がないものの、とてつもない料金が必要です。
ビジネス利用ならともかく、旅行などの一般向け航空券と考えると、実質的には特便割引1が最も高い運賃と言ってもいいでしょう。

特便割引の一例は次の通り。

先得運賃に比べると、長距離路線では随分料金が上がってしまいます。
しかし羽田-伊丹といった一部路線では、競合の新幹線よりも安い運賃設定がなされ充分お得感のある設定もあります。

特便割引も変更不可の運賃なので、キャンセル時には取消/払戻手数料が必要。
しかし出発55日前までは440円かかりますが、54日前~出発前は、先得運賃の50%とは異なり、運賃のわずか5%(伊丹-新潟/松山/但馬、福岡-宮崎、鹿児島-種子島/屋久島、那覇-石垣/宮古/久米島は440円)です。仮に30,000円の航空券だとしても、1,500円に済むわけです。

したがって、先得運賃よりは高いものの、搭乗数日前でも購入可能、かつキャンセル時も手数料が少なくて済む、それが特便割引なのです。

2.2023年以降の料金体制はどうなるか?

1章で現行の早期割引には先得運賃と特便割引があり、普通運賃と合わせて大きく3種類、細分化して計9種類と説明しました。
それでは、2023年からの料金体制はどうなるのでしょうか。

上述の日経新聞の報道では、現在9つある基本運賃があるうち、8種類の早期運賃を廃止し、予約変更や無料で払い戻しできるかなどの条件の違いを基に3種類程度の運賃に設定するとされています。

しかしよく考えてみてください。確かに現行では搭乗日から数えた予約期限日に応じて細かく運賃設定がなされていますが、大きくは3種類。
予約変更や払い戻し条件についても

・普通運賃:予約変更可/払戻手数料:440円
・特便割引:予約変更不可/払戻手数料:運賃の5%(一部440円)
・先得割引:予約変更不可/払戻手数料:運賃の50%

※特便・先得は出発55日前までは払戻手数料440円

このように、現行でも予約変更・払い戻しの条件で3区分に分かれているわけです。一見大胆な改革のように見えますが、実際は基本的な構造はほとんど変わらないのです。

確かに予約期限の区分がなくなることで、最も安いウルトラ先得のような格安料金設定がなくなる可能性は充分あるでしょう。しかし、改正後の最安運賃は高くてもせいぜい先得タイプA程度にとどまるのではないでしょうか。

仮にそうなった場合、現在は出発28日前までに計画を立て購入しなければなりませんが、改正後は(空席さえあれば)数日前でも先得運賃並みの料金で購入できるのかもしれません。

長々と書き連ねてしまいましたが、言いたいことはこうです。

・運賃制度の、根本的な構造は変わらない。
・メリット:搭乗直前期でも先得割引並みの格安運賃で搭乗できる可能性がある
・デメリット:最安運賃は現行ウルトラ先得よりは高くなる可能性がある(しかし最低運賃値上げは一定レベルにとどまる)

したがって、世間で騒がれるほどの”改悪”というわけではなく、直前期でも格安での搭乗が可能になるかもしれない、むしろ”改善”ともいえるのではないかと思うのです。あくまで持論ですけどね。

また話はそれますが、私自身、実は旅行で先得割引を使う機会は意外とありません。どうしても数カ月も予定を組むことが難しいこと、そして旅行計画を立てる場合も、出発1,2週間前に急に○○に行きたい!と衝動に駆られて決断することが多いためです。

そういう場合、先得割引でも特便割引でもなく、航空券と宿泊がセットになったJALダイナミックパッケージが最も安い、という場合が多々あります。

このダイナミックパッケージは、出発7日前を境に料金がやや跳ね上がるということはあるものの、基本的には出発前からの期間に関係なく、搭乗便の残席状況に応じて変動します。
通常の航空券では高めの特便割引しか残っていない場合でも、片道あたり先得運賃並みの価格で利用できることもしばしばあります。

このダイナミックパッケージの料金設定、改正後の料金変動がどういったものになるのか、一種の参考になるかもしれません。利用したことがないという方は、是非一度目を通してみてください。

JALダイナミックパッケージ
検索時の残席状況によって航空券の料金が変動

3.JGC修行への影響は?

運賃体系改正によりJGC修行はどのような影響を受けてしまうでしょうか。

根本的な構造は変わらないとはいえ、やはり最安運賃は現行のウルトラ先得よりも高い値段で推移する可能性があります。FOP修行、回数修行のいずれにおいても、解脱へのコストを最小限に抑えるといった観点では、コストが増加すると予想せざるを得ないでしょう。

特に土休日はビジネス利用ではない旅行客の比率が高くなり、また土日を中心に修行する方も多いと思いますので、安価な割引運賃は予約が埋まりやすく、需要に応じ値上がりしやすくなる可能性があります。しかし平日を狙って修行計画を立てることができれば、意外と安く抑えることができるかもしれません。

またFOP修行に関しては、最安種別のマイル積算率が現行の75%から改悪されないことを願いましょう。回数修行は、たとえマイル積算率が下がっても安く搭乗できさえすれば大丈夫。

新割引運賃のみならず、JALダイナミックパッケージや、JAL公式ホッピングツアーもうまく活用するといいかもしれません。

いずれにせよJGC修行への影響は未知数。悲観するほどではないといいつつも、もし今後JGC取得を考えているという場合は、2022年度までの取得も検討した方が無難でしょう。

4.おわりに

早期割引の廃止という一見大規模な改革のように見えて、実は根本的な構造は同じ。したがって極端に悲観する必要もないですし、するべきでもないと思います。

制度改正により、直前期でもお得に飛行機で旅行ができる、そんな時代が来るかもしれません。

繰り返しになりますが、ここで書き連ねたことはあくまで私の見解です。実際にはどのような変化が訪れるかは未知数。

引き続き、日本の航空業界の行く末を見守っていきたいものです。

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